介護福祉士の受験を先延ばしにするメリットは一つもない その3

あなたは、どうして介護福祉士の資格を取るかどうかで悩んでいるのでしょうか?
介護福祉士や介護についてお伝えする4回シリーズの第3回です。

介護福祉士の資格は、取るメリットよりも取らないデメリットから考える

あなたが介護福祉士の資格を取ることや事業所に資格をもった職員が多くなることが、あなたの給与や処遇アップと直結することについては第1回で触れました。

「介護職員の処遇改善加算や介護サービスの各種加算」は、職員の育成や労働環境の整備、介護の質の評価として事業所へ支給されます。

介護福祉士の資格を持っている職員や3年以上働いている職員の割合、医療的ケアといった重度の要介護者への支援・看取り対応 etc・・・」に応じて、上位の加算を取得できるかどうか(支給額)の差が出ます。

単に忙しく働いている、長時間働いている、だれでもできる、どこの事業所でもできるようなサービスを提供しているだけでは、事業所の収入も職員の給与も増えることは期待できません。

memo:事業者と介護職員は協力し合って現場改革を。

・介護職員は、一人ひとりが資格を取ったり研修を修了したりして実力をつける。
・事業者は、労働環境を整え、職員が介護プロフェッショナルに育つようバックアップをする。

一方だけではダメで、お互いに協力し合わなければ上位加算を取得することはできません。

2019年10月からは、職員の離職予防や定着等を目的として「特定処遇改善加算」も創設されます。「職員に占める勤続10年以上の介護福祉士の割合」に応じた加算が、介護保険のサービスごとに分配されるのですが、この加算を取得するにあたっても介護職員と事業所の協同が必要です。(1人月額8万円程度の配分にはいくつかのルールがあります)【*1「介護職員処遇改善加算」についてはこちら ・*2「特定処遇改善加算」についてはこちら 

下の図は、平成30年4月審査分の処遇改善加算に係る請求状況です。

「介護職員の給与、月37,000円程度アップ」といった報道がなされていますが、全事業者がその加算Ⅰを取得できているわけではありません。少なくとも、平成30年4月請求分では3割以上が加算Ⅰを取得しておらず、1割は全く取得していないのがわかります。

これ(処遇改善加算の取得状況)だけをみても、事業者によって給与の差が出ることがわかるでしょう。

「給与が高くても、その他が心配」という声が聞こえてきそうですが、処遇改善を行っているから加算Ⅰが取れ、給与を高く設定できるというのが処遇改善加算のしくみです。
逆に、処遇改善に積極的でないところが、労働環境や給与をよくするのはかなり難しいのではないかと思います。

あなたは、まだ「資格を取っても取らなくても、どこの事業所や施設で働いても、そんなにお給料や処遇は変わらない」と思いますか?

介護福祉士の資格は、取っただけで劇的に変わることはありませんが、他の人たちが取ってあなたが取らなければ、現状維持も難しくなるのです。もっているのが標準になりつつあるのですから。

くり返しになりますが、介護福祉士の資格は、❛ 取るメリットがどれだけあるかよりも、取らないデメリットが大きい ❜ ことを忘れないでください。

介護福祉士は介護プロフェッショナルにとって通過点

介護プロフェッショナルをめざす介護職にとって、介護福祉士はゴールではなく通過点です。
介護プロフェッショナルへの道のりは長い・・・。

介護福祉士は、次の目標にチャレンジするスタート地点でもあります。

介護福祉士となってから取得できる資格

▢介護福祉士:3年以上の実務経験+実務者研修修了⇒国家試験受験⇒合格して登録
以下は介護福祉士となってから実務経験を積むことで取得できる資格です。

① 実習指導者:実務経験3年以上+実習指導者講習会修了
② 実務者研修教員:実務経験5年以上+実務者研修教員講習会修了
③ 認定介護福祉士:実務経験5年以上+認定介護福祉士養成研修修了
④ 介護支援専門員:実務経験5年以上+介護支援専門員実務研修試験に合格し実務研修を修了
⑤ 相談支援専門員:実務経験5年以上+相談支援従事者研修を修了(実務経験については、介護福祉士以外のルートもあります。要件はこちら

 

介護職の実践的スキル認定について

また、介護サービスの従事者に対して「介護プロフェッショナル」のレベル認定を行う「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」をご存知ですか?

既存の国家資格制度や研修制度との関係も考慮し、実践的スキルについて重点的に評価するもので、一般社団法人シルバーサービス振興会が実施しています。
エントリーレベルからプロレベルまでの7段階のレベル(キャリア段位)のうち、現在レベル1からレベル4について基準をつくり、レベル認定を行っています。介護プロフェッショナルキャリア段位制度介介護プロフェッショナルキャリア段位制度(一般社団法人シルバーサービス振興会より)

レベル 「わかる(知識)」の評価
レベル4

介護福祉士であること(国家試験合格)
※介護福祉士養成施設卒業者について、国家試験の義務付け前においては、介護福祉士養成課程修了によりレベル4とする

レベル3

介護福祉士養成課程又は実務者研修修了
※介護職員基礎研修修了でも可

レベル2

レベル1と同様

レベル1

介護職員初任者研修修了
ホームヘルパー2級研修又は1級研修修了も含む

【*一般社団法人シルバーサービス振興会より】

介護福祉士は、介護プロフェッショナル段位制度(*)で7段階あるレベルの4とされていて、キャリアパス上はちょうど中間点であり通過点。より上位のレベルをめざすには、ここでも介護福祉士の資格取得は必須ということになります

介護職として希望する働き方や処遇を実現するためには、実力をつけることが必要です。実力を証明するものとして資格やレベルがあるということですから、その通過点である介護福祉士は最短で取得しておきたいものです。
時間だけは取り戻すことができません。1年に1回しかない受験を先延ばしにするデメリットはかなり大きいといえます。

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介護福祉士の国家試験を受験するために必須となっているのが「実務者研修修了」です。
実務者研修は無資格・未経験でも受講できます。
早く修了しておくメリットがたくさんです。
実務者研修に関する 
☆介護福祉士の受験を先延ばしにするメリットは一つもない    

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